EOS 620

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発売年:1987年 標準価格:10万8千円(ボディのみ)

 

 

 EOS 650発売の2ヵ月後に、後を追って発売された上級機。ボディの形状はEOS 650と同一で、細部の機能を強化することにより差別化を図っている。主な変更点は、4000分の1秒シャッター、液晶表示部へのイルミネーションライト、AEB機能の追加などである。個人的には、多重露出機能が追加されたのと、ケーブルレリーズの付くグリップGR20が標準装備になっている点がとても有難い。EOS650を使っていてこれらの点が非常に不便に感じられたので、改良を大いに歓迎すべきだろう。また、初期のEOSにしては、例外的にシャッター幕の不具合が出ない数少ない機種でもある。

 

 

    主な改良点

 シャッターが4000分の1秒まで切れるようになったのを始めとして、各部に改良が見られる。その中で特に歓迎すべきなのが、ケーブルレリーズの付くグリップGR20が標準装備になっている点だ。他のEOS600シリーズに標準装備されているグリップにはレリーズ端子が無く、後からGR20を別売りで購入せねばならない仕様だったので、これは貴重。勿論、620の購入によってGR20を手に入れてしまえば、他の650や630にもそれを流用できるわけだ。レリーズ端子がボディ本体ではなくグリップに付いているというのは、現代の感覚からすれば理解し難いものがあるのだが、当時はこのようなことも許されたのであろう。

 また、その他にもイルミネーション液晶の装備、多重露出機能の追加など、実用において大きく役立つ機能が大きく強化されており、650に比べて格段に進化しているのが読み取れる。最も、価格が650に比べて3〜4万円高かったようなので、販売台数は650に遠く及ばなかった様子ではあるが。

 

 

    シャッター幕の汚れ

 620は、初期のEOSシリーズの中では珍しく、シャッター幕に汚れが出ない数少ない機種である。初期EOSの中でシャッター幕の汚れが発生しないのは、他にEOS−1とEOS5の2機種くらいのものだ。調べてみると、どうも「620には、T90のシャッター部品がそのまま流用されているから」ということらしい。何はともあれ、初期EOSの中でシャッター幕汚れが出ない機種であるという事は、それだけで貴重である。

 

 

    深度優先モード

 これが何故であろうか、650に搭載されて好評だったキヤノン独自の「深度優先モード」が、この620には全く搭載されていない。せっかく上級機として発売するのに、当時としては目新しさに満ちていたはずの新機能をスパっと削除してしまうとは、一体どうしたものであろうか。

 

【2010.10.11追記】掲示板にて、上記に関する件での情報を頂きました。620に深度優先モードが搭載されなかった理由は620はハイアマチュア、650は一般アマチュアとターゲットを絞ったからで、深度優先モードは絞り優先AEそのもので経験の有るハイアマチュアの人には必要無いだろうとの判断から」であるとの事です。情報を提供いただきました方、本当にありがとうございました。また、情報の更新が遅くなりましたことをお詫び致します。

 

 

 

 

(2004.10.20)

 

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